作成日記

2014/03/03

効果音ラボ西へ ~旅客機の音録音編

困難が多いほど効果音制作魂は燃え上がる

暖かくなってきたと思ったらいきなり寒くなったりする今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は相変わらず効果音制作づけですが、外での録音をためらっています。それでは今回もまた、録音に苦労した効果音についての話を書きたいと思います。

今からちょうど一年前。私は効果音ラボ立ち上げのためにあらゆる音を録音しており、その一環として飛行機の音を録音するために羽田空港へ向かいました。ところが、行ってみると飛行場内に入ることが叶わないどころか、飛行場のフェンス越しでも、飛行機から遠すぎてまともに音が録れないことが分かったのです。

そこで徹底的に情報収集し、羽田空港から近い城南島海浜公園が、空港から飛び立った旅客機が上空を通過するポイントとして知られていることを突き止めました。公園は海に面しているので、ついでにさざ波の音を録りながらの録音です。やがて飛行機がやってきましたが、1kmほど上空を通過する音は想像以上にこもっており、周囲の砂浜で遊ぶ人たちの声も入ってしまい、思うように録音できません。

超至近距離での録音。クオリティはピカイチ

なかなか上手くいかないため、大阪国際空港へ赴いての録音を思い立ちました。それまで旅費がかかりすぎるので避けていたのですが、「日本一近くで飛行機が見られるポイントがある」という魅力、そして当時人気が上がりつつあった効果音ラボに後押しされ、重い腰を上げました。そのポイントは、空港に着陸するため低空飛行してくる飛行機を真下から観察できるというのです。しかし、効果音録音というのは行けば必ずいい音が録れる保証はありません。たまたま飛行機が飛ばない日だったら?ネットの情報がガセで音がうまく録れなかったら?周囲に「余計な音(人の声など)」がたくさんだったら?不安だらけでしたが、プチ旅行気分で行き、失敗したらまた行けばいいと考えました。

目指すポイントは空港近くにある川の土手です。行ってみると人が10人ほどおり、大半の人がカメラを持っています。どうやら全員飛行機目当ての模様。予想以上の人気スポットのようで、期待が高まります。

しばらく待っていると、このポイントのベテランらしい方が、遠方から来たであろう方に説明を始めました。その話によると、かつてはジャンボジェットが頻繁に通過しており、とんでもない迫力だったが、今は普通の旅客機しか通らなくなった。でも一日に一回くらいジャンボジェットが通ることもある、とのことでした。しかし、まずはとにかくジェットの音を録らねばなりません。

待つこと数十分。キーンという音が聞こえ始めました。どうやら普通のジェット機が飛来したようです。一直線にこちらに向かってくるので、このまま自分に激突するのではという考えもよぎります。やがて飛行機はどんどん大きくなり、爆音とともに着陸していきました。通り過ぎる瞬間は視界のほとんどが飛行機で埋まり、すさまじい迫力です。録音したものの、通過直後に強風が吹いたうえ、女性の「キャー」という声が入り使えない録音になってしまいました。その後3時間くらい粘り、6回くらい飛行機の音を録ってなんとか会心の録音に成功。結局この日はジャンボジェット通過はありませんでしたが、目的の音が録れた満足感を噛みしめながらポイントを後にしました。

超至近距離での録音。クオリティはピカイチ

効果音というのは何気なく使われており、制作者の苦労というのはあまり注目されません。特にTVとかで流れる動物は、私からすると制作者の苦労が垣間見えます。鳴くまで辛抱強く待たねばならないからです。しかも、鳴いてくれたとしても「らしい声」であるとは限りません。クセのある鳴き方をした場合、何の動物の声か分からなくなります。重要なのは「聞くだけで何の音か分かる音」です。当サイトは効果音にタイトルをつけていますが、このタイトルなしで聴いたとしても何の音か一撃で分かるような音にするよう心がけています。ちなみに私は効果音制作のノウハウの本など読んだことすらない効果音制作の素人です。

なぜそんなにこだわるの?と聞かれれば、効果音が映画でも使えるくらい高品質なのをサイトのウリにしたいからです。それは、自分が完璧主義だから。でもちゃんと皆様からの評価につながっているので、効果音サイト運営は案外自分にマッチしていると感じます。

飛行機の音のダウンロードは機械・乗り物[1]ページからどうぞ。

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