2013/10/20
8月の効果音大量追加 雷の音編
効果音大量追加三部作(?)も今回が最後です。さあいってみましょう!
ガラスを割って良い音が手に入れられた私は、もっと良い効果音が録れないか?とあちこちの食器や棚ををいじり倒し、ひたすら音を録音をしまくっていました。そんなことをしていると、外で雷鳴が!
どうやらゲリラ豪雨のようです。ゲリラ豪雨は夕立とは別物で、夕立以上に落雷数が多く、雨がやむまでの時間も長い、というシロモノですが、雷の音を録音しようとしているとなると、これ以上の好条件はありません。私はすっかりテンションが上がってしまい、思わず外に繰り出したのでした。
これまで、都会のアパートでもゲリラ豪雨が来るたびに録音を試みていたのですが、いずれも失敗に終わっていました。その理由が、落雷位置からいつも遠いので音がボケてしまうことでした。その点、今回はかなり近くで音が鳴っていたので、これはいけるやも?と録音しつつ待機することにしました。時折周囲が黄色のフラッシュに包まれ、遠くからゴロゴロと音が聞こえます。光ってから音が到達するまでの時間から計算すると5kmくらい離れた場所に落ちていることが分かりましたが、まだ音がボケていて、もっと近くに落ちてくれないと使い物になりません。
私の家には10メートルほどある木が何本もあり、中には落雷で真っ二つになったものもあります。家が田んぼの中にぽつんとあるので、雷が落ちやすいのでしょう。子供のころトイレに入っていたとき、20メートル近くに雷が落ちて、その音にすごく驚いた記憶もあります。でも近くに落ちたのはそのときくらいで、大抵は遠くから雷鳴が聞こえるのみでした。果たして、今回たまたまそんな数少ないチャンスが巡って来るのか。辛抱強く待ちました。
待つこと一時間。近くの水田にギザギザの稲妻が走ったのが見えた瞬間、轟音が。うおお!これは「会心の録音」だッ!私は良い音が録れることを「会心の録音」と呼んでいますが、この時がまさにそうでした。ものすごく近くに落ちたといわないまでも、実用に耐えうるクオリティの音が録音できたのです。ただ、雨音がかぶってしまったので、その後加工をして雨音を小さくしなければなりませんでした。
それからもゲリラ豪雨は猛威を振るい、雷が1km近くに数発落ちました。私はその間ずっと息を殺しながらRoland R-26で録音し続け、録音した音を、雨音も含めて「雷雨」の効果音として公開することにしました。実際にはこんなに連続して雷が落ちることはないので、つなぎ合わせてますが。
実家での録音にあたり、ガラスの音は録ろうと予め計画していましたが、理想に近い雷の音が録れるのは完全に想定外で、うれしい誤算でした。ただ、今回録った雷の音はクオリティがまだまだ低いと考えています。落ちた場所まで距離があるせいか、多少音がこもってしまっているのです。いずれは完璧に録音したいところです。10メートルくらい近くに落ちてくれたらいいんですが……(笑)。命が危ないですかね。
さて、今回で「8月の大量効果音追加」シリーズは終了ですが、いかがだったでしょうか。大げさに聞こえるかもしれませんが、音を録るときには、録音にかかわる「エピソード」があります。録音が困難な音なら、なおさらです。私は、このブログを通じて、自分がそんな工程を経て録った「音」を公開している、ということを少しでも知っていただけたらと思っています。無駄に苦労しているし、心の中にしまっておくには、なんかもったいない気がするんですよね(笑)。